Race Week(F1×English)

Red Bull’s “chosen one”「角田裕毅」=ペレスにとっての脅威/opt

アルボンに代わってペレスがレッドブルに加入することが発表された。もちろんアルボンに頑張ってほしいという思いはあった。が、マシン開発がフェルスタッペン好みに寄っているというのが事実だとしても、同チームにおける両者の差は大きすぎたということだろう。

Formula 1.comのsenior writer、Lawrence Barrettoの記事「ANALYSIS: Why did Red Bull opt for Perez – and what now for Albon?」(分析:なぜレッドブルはペレスを選んだか–そしてアルボンの今後は?)を読んだ。この人の分析によれば、ペレスにとっての脅威はアルボンでもガスリーでもなく、来季のアルファタウリ入りが発表されたばかりの角田裕毅(!)である

His* time at Red Bull may well be limited, though, particularly if Red Bull’s ‘chosen one‘ Yuki Tsunoda impresses at AlphaTauri next year on debut. Best case scenario for Perez is probably two years, with Red Bull opting not to rush Tsunoda’s development – however we have seen Red Bull promote much earlier, as early as half a year or even a year. So the pressure will be on Perez to deliver consistently from the off.
*Perezのこと。
(Formula 1.com、18 December 2020)

[訳]しかし、ペレスがレッドブルで過ごす時間は限りのあるものになるだろう、とりわけレッドブルの「選ばれし者」角田裕毅が来季アルファタウリでのデビューで好印象を残した場合。恐らくペレスにとって最善のシナリオは、レッドブルが角田の成長を急がないことを選び、(ペレスと)2年(契約を結ぶ)というものだろう。とはいえ我々はレッドブルが(2年より)はるかに早く昇格させるのを見てきた。半年早いことも、丸一年早いことさえあった。そのためペレスには最初から継続的に結果を出し続けるというプレッシャーがかかることになる。

 

思わず二度見してしまったのがRed Bull’s ‘chosen one‘ Yuki Tsunodaという表現。すごい。レッドブルの角田に対する期待の高さがすごい。chosen oneですよ。アナキン・スカイウォーカーじゃん。何の参考にもならないが、オビワン師匠が闇落ちアナキンに”You were the chosen one!”と叫ぶ動画をYouTubeに見つけたので貼っておく(5:45あたり)。

続いてはoptという動詞。「選ぶ、選択する」。Cambridge Dictionaryの定義によればto make a choice, especially of one thing or possibility instead of othersとある。最後の「instead of others」というのはここでの文脈にもぴったり合致している。本文では、opt to doの形、タイトルではopt forの形で出てくる。この2つの用法が最も多く使われるようだ。

もう一つ重要な用法にopt out (of)がある。「~を選ばない」ということだが、

Japan opted out of the International Whaling Commission in 2019.

と言えば「日本は2019年に国際捕鯨委員会を脱退した」ということ。「(活動・団体への)不参加を選ぶ、(…から)脱退する」という意味にもなるのだ。

ちなみにoptの名詞がoptionである。

文末のfrom the offは「最初から」の意。

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